SUPPLIER RESEARCH / 第2版

グッズ製造パートナー 比較シート

はぐきんぐ&みがきんぐ IP化プロジェクト/カプセルトイ・ぬいぐるみの製造委託先の検討資料。

予算 50〜70万円 数量 500〜1,000個 造形 2種(はぐきんぐ/みがきんぐ) 第1希望 立体カプセルトイ 第2希望 ぬいぐるみ
掲載している価格・ロット・納期は、各社の公開情報および業界の一般的な相場から整理した目安です。 実際の条件は形状・サイズ・色数・生産地・時期で大きく変わるため、必ず相見積りで確認してください。 「要問合せ」と書いた項目は、公開情報が見つからなかったものです。

012種になったことで、立体が射程に入りました

前回「予算的に無理」とお伝えした立体フィギュアですが、種類数が変わったことで前提が変わります。

6種 → 2種で、初期費用が5分の1以下になる

カプセルトイの金型は、1つの鉄の塊に複数のキャビティ(型の彫り込み)をまとめて彫るのが業界の標準的なつくりです。 つまり「2種だから金型が2つ必要」ではなく、2種を1つの金型に収められます

6種展開だと金型が大きくなり、塗装マスク板も種類ぶん必要になって初期費用が跳ね上がりますが、 2種であれば原型2体+金型1式で済みます。ここが今回の分かれ目です。

結論:造形2種の立体カプセルトイは、生産地と仕様の選び方しだいで予算50〜70万円に収まります。 ただし余裕はほとんどないため、次章の「予算内に収める6つのレバー」を最初から仕様に織り込む必要があります。

提案:造形は2種のまま、彩色ちがいでラインナップを5種に見せる

金型を追加せずに種類を増やす方法があります。同じ型で、塗り分けだけ変えるやり方です。 追加でかかるのは塗装マスク板と塗装工程のぶんだけで、金型代はかかりません。

ガチャは「何が出るかわからない」ことが回す動機になるため、 ラインナップが2種だけだと2回で終わってしまいます。彩色ちがいを混ぜると、 コンプリート欲を保ったまま初期費用を据え置けるのが利点です。

はぐきんぐノーマル
みがきんぐノーマル
はぐきんぐあわあわver.
みがきんぐあわあわver.
シークレットゴールドver.

※ 彩色バリエーションを何種まで増やせるかは、塗装マスク板の費用しだいです。見積り時に「造形2種/彩色◯パターン」で必ず分けて出してもらってください。

02費用の内訳と、予算内に収める6つのレバー

立体カプセルトイの費用は「一度きりの初期費用」と「1個あたりの量産費」に分かれます。効くのは前者です。

費目性質金額の目安備考
3D原型制作造形2体ぶん 初期・一度きり 14〜20万円
7〜10万円/体
デジタル造形。イラストからの起こしになるため、設定書の完成度が費用と手戻りに直結します。
金型制作1型に2種を彫る 初期・一度きり 20〜80万円
中国20〜80/国内50〜200
ここが最大の変動要因。生産地とサイズで4倍以上の差が出ます。
塗装マスク板 初期・一度きり 要見積
色数×種類ぶん
色を塗り分けるための板。色数を減らすほど安くなります。金型代に含めて提示されることも多い費目です。
量産 個数に比例 180円〜/個
塗装・封入込
PVCの最低ロットは1,000個が一般的。500個に減らしても単価が上がるだけで、総額はあまり下がりません。
空カプセル・台紙 個数に比例 30〜50円/個 台紙に「今日のがんばりシール」を入れるなら、その印刷費もここに乗ります。
合計(1,000個の場合)56〜120万円 金型を中国20〜30万円台に収められるかどうかで、予算内か大幅超過かが決まります。

予算内に収める6つのレバー

01金型を1式にまとめる

2種を別々の金型にせず、1つの型に2キャビティで彫ってもらう。見積り依頼の時点で「2種を1型に収められますか」と明示的に聞くこと。

効果:最大 −40万円

02生産地を中国(深圳)にする

金型は国内50〜200万円に対し、中国深圳は20〜80万円。カプセルトイの量産では最も一般的な選択です。品質管理は日本側の企画会社が担保します。

効果:−30〜120万円

03サイズを3.5〜4cmに抑える

ガチャのカプセル(48mm前後)に収まる範囲で小さくするほど、金型も材料費も下がります。子どもの手のひらサイズとしても適正。

効果:数万〜十数万円

04塗装の色数を3〜4色に絞る

キャラの配色をあらかじめ少ない色数で設計しておく。塗装マスク板の枚数がそのまま費用になるため、設定書の段階で効いてきます。

効果:数万〜十数万円

05初回は1,000個で作る

500個に減らしても単価が上がるだけで総額はあまり変わりません。PVCの最低ロットも1,000個が一般的。むしろ1,000個作ったほうが1個あたりは有利です。

効果:単価を最適化

063歳未満向けの仕様を最初から避ける

小さすぎるパーツや取れる部品があると、安全基準の対応コストと設計変更のリスクが跳ね上がります。一体成型・可動なしで設計するのが安全かつ安価です。

効果:手戻りの回避

03立体カプセルトイ(造形2種)の見積りパターン

同じ「立体2種」でも、素材と生産地で費用構造がまるで変わります。相見積りはこの3パターンで取ってください。

推奨

A案:PVC/中国生産

約 56〜70万円
  • 3D原型 2体14〜20万
  • 金型 1式(2キャビティ)20〜40万
  • 塗装マスク板要見積
  • 量産 1,000個 ×180円18万
  • カプセル・台紙4〜5万

予算内に収まる可能性がいちばん高い案。 金型を20〜30万円台に抑えられるかが勝負どころです。 CapsuleHubが公開している「原型10万〜+金型40万〜、量産180円〜」がこの構造。 彩色ちがいを足してラインナップ5種にできます。

質感重視

B案:ソフビ 2種

要見積
(金型は比較的安い)
  • 原型+ワックス転換要見積
  • 金型PVCより安価
  • 成型・塗装単価は高め

ソフビは500個以下を想定した金型が用意されており、小ロットに向きます。 ミニ〜スタンダードサイズなら金型代はほぼ同額。 ただし単価が上がるため、300円のガチャだと利益が出にくい点は要注意。 400〜500円設定にするか、イベント限定の上位商品として扱うのが現実的です。

造形にこだわる

C案:原型と量産を分ける

A案 + 造形費
  • 原型のみ造形専門に発注要見積
  • 金型・量産は別会社A案と同じ

プレステージは「原型だけ」「金型だけ」の切り出し発注に対応と明記しています。 造形の質にお金をかけたい場合の道。 海洋堂さんのようなところに造形だけをお願いする形も、この構造なら検討の余地があります。 ただし窓口が2社に増えるぶん、進行管理の手間は増えます。

04立体カプセルトイの委託先候補

「立体2種を1型でつくれるか」という観点で並べ替えました。前回のアクリル系業者は今回の希望から外しています。

会社最小ロット費用の目安納期得意なこと・特徴今回の相性
CapsuleHub
(Capsule Craft)東京
1,000個〜
商品により相談可
原型10万〜
金型40万〜
量産180円〜
最短45日〜
量産は最短3週間
カプセルトイのODMを企画から一括で。日本企画+中国製造のネットワークで、金型費用の目安を公開している数少ない会社。フィギュアの実績あり。 第1候補
A案の中心に据える
あミューズ愛知 1,000個〜 要問合せ 短納期を明示 創業20年。カプセル自販機の製造・卸から、インカプ(封入)・アセンブリ作業の請負までワンストップ。設置マシンまで同じ窓口で揃うのが強み。 第1候補
設置まで一気通貫
プレステージガチャガチャ専門 小ロット可
個人依頼も可
要問合せ 要問合せ ソフビフィギュア専門。「原型だけ」「金型だけ」「成型物だけ」の切り出し発注に対応と明記。B案・C案の相談先。 第1候補
ソフビ/分離発注の窓口
オビツ製作所 500個以下を想定した
金型あり
要問合せ 要問合せ ソフビ製作の老舗。500個以下向けの金型と、500個以上向けの生産型を使い分ける案内をしており、小ロットの入口として明快。 B案の候補
ケイオーKEIO 要問合せ 要問合せ 要問合せ カプセルトイ対応グッズの企画・OEM。販促品全般に強く、オリジナル歯ブラシなど他の商品もまとめて相談できる可能性。 まとめ発注の相談先
ラブエンタ/
GOODS EXPRESS
要問合せ 要問合せ 全体で約2.5か月
校正2週+量産3〜4週+封入3〜5日
ガチャガチャマシンのレンタルと中身制作をセットで提供。マシンを買わずに借りることで、設置の初期投資を抑えられます。 設置コストを抑えるなら
海洋堂 要問合せ
大ロット前提と推定
要問合せ 要問合せ 造形の質は国内随一。自社企画商品と大手クライアント案件が中心。 C案なら可能性あり
「原型のみ」で打診する

海洋堂さんとの組み方

丸ごと発注(企画・原型・金型・量産・封入)は、500〜1,000個規模だと条件が合いにくい領域です。 ただし「原型(造形)のみ」で打診するのであれば、話の入口は作れます。

現実的な順番としては、まずA案で第1弾を世に出し、 クラウドファンディングの上位リターンとして「プレミアム版フィギュア」を設定して、 そこで造形にお金をかける。少量・高単価なら採算が合いますし、 「あの海洋堂が造形」という事実そのものが支援を集める材料になります。

※ 企画書には前回いただいたまま「海堂 洋 氏(相談中)」と個人名で記載しています。 株式会社海洋堂を指していたのであれば記載を修正しますので、お知らせください。

051回いくらで回すか(正直な採算の話)

ここは楽観的に書いても意味がないので、そのまま計算します。

設定1回の価格量産原価医院の取り分学校側の粗利1,000個での粗利
300円・医院が全額取る300円180円300円▲180円▲18万円
300円・卸値240円300円180円60円60円6万円
400円・卸値320円400円180円80円140円14万円
400円・イベント直販400円180円220円22万円

初期投資は、1〜2ロットでは回収できません

原型+金型の34〜60万円は一度きりの投資ですが、1,000個売っても粗利は6〜22万円です。 つまり回収には3,000〜6,000個の販売が必要で、設置10台なら2〜3年かかる計算になります。

ここから導かれる判断は2つです。
企画書の「売上は設置医院の取り分」という条件は見直しが必要です。そのままだと1個売れるごとに赤字が出ます。卸値方式に変えてください。
1回300円ではなく400円を推奨します。近年のカプセルトイは300〜500円が主流で、400円は不自然な水準ではありません。粗利が2倍以上変わります。

そのうえで、立体フィギュアの初期投資は「グッズで儲けるための費用」ではなく「IPの土台をつくるための費用」と位置づけるのが正直なところです。 金型さえ作ってしまえば2ロット目以降は量産費だけで作れますし、 「立体のグッズがある」という事実は、ライセンス営業でも自治体案件でも効いてきます。 利益は、原価の軽いライセンス収入と歯ブラシで取る——という企画書の構造は変えなくて大丈夫です。

06第2希望:ぬいぐるみ

カプセルトイに予算のほぼ全額を使う前提なので、ぬいぐるみは今回の50〜70万円とは別枠で考えます。 子ども向けである以上、価格より先に見るべきは安全基準への対応力です。

先に作らず、クラファンで数が確定してから発注する

500個を先に作ると45〜55万円がそのまま在庫リスクになります。 クラウドファンディングの10,000円コース(ふたごぬいぐるみ)で支援数が確定してから発注すれば、 必要数がわかった状態で作れます。

納期は校了から40〜80日なので、募集終了 → 発注 → 2〜3か月後に発送で無理なく回ります。 企画書のリターン発送を2027年3月に置いているのは、この逆算です。 ふたご2体セットにすると1件あたりの生産数が2倍になるため、単価も下がります。

会社最小ロット単価の目安納期実績・特徴今回の相性
ユニファースト 100〜300個〜
出典により差あり
要問合せ 校了後 約40日 20年以上の実績。デザインと色展開が豊富。自社コンテナで海外工場からの輸送コストを抑える仕組みを持つ。 第1候補
ロットが小さく納期も最短
バンダイナムコヌイ 300〜500個〜 非公開 約50〜60日
校了から2〜3か月
60年以上の老舗。小ロット工場と大量生産工場の両方と提携しており、第2弾以降の増産にそのまま乗れる。品質と安全管理に定評。 第1候補
大学名が乗る商品として安心
サン・アロー 要問合せ 要問合せ 75日程度 40年以上の実績。安全管理がしっかりしている点が評価軸として挙がる。乳幼児向け商材の経験が豊富。 安全性を最優先するなら
OPULA 500個〜
お任せプランは200〜500個
500個で800円前後 約30〜60日 小ロット・低価格・柔軟さが売り。個人からの依頼も受ける。費用を抑えたい場合の選択肢。 コスト優先なら
プランニングキュービック 1個〜 10個:25,000円〜
100個:5,000円〜
1,000個:1,000円〜
要問合せ 平面イラストだけで発注可能。デザイン作成も任せられる。 サンプル1体はここ
クラファン前に実物写真を用意
ぬいぐるみ屋本舗 100個〜 15cm:1,360円〜
20cm:1,590円〜
100個時・税抜
要問合せ サイズ別・数量別の価格表を公開しており、予算を組む段階での試算がしやすい。 試算・少量テスト向き
グレイ・パーカー・サービス 1,000個〜 要問合せ 60〜80日 実現力が高く対応が速いと評される。 第2弾から
吉徳 要問合せ 要問合せ 約60〜70日 60年以上の老舗。提案力とデザインの選択肢の豊富さが強み。 提案から相談したいなら
三英貿易 2,000個〜 要問合せ 70〜80日 20年以上の経験。マスコットから大型までサイズ展開が豊富。 ロットが大きすぎる

カプセルトイの造形が、ぬいぐるみにも効く

  • 3D原型があれば、ぬいぐるみの立体パターンを起こす精度が上がる
  • 「立体としてのシルエット」が先に確定するので、両者の印象がぶれない
  • クラファンのページに立体の実物写真を載せられる

順番を間違えないこと

  • 設定書 → 3D原型 → 金型、の順。設定書が固まる前に原型に進むと確実に手戻りする
  • ぬいぐるみのサンプル1体は、クラファン公開前に間に合わせる
  • ST基準の対応可否は、発注前に必ず書面で確認する

07進め方

同じ条件を書いた1枚のRFPを作って、同時に投げるのが結局いちばん早く済みます。

  1. キャラクター設定書・イラストを確定させる 3D原型はここから起こします。正面・横・後ろ、表情差分、配色コード(できれば3〜4色に整理)まで揃えると、費用も手戻りも減ります。企画書の90日アクションで45日目に置いている工程です。
  2. 条件を1枚にまとめる(RFP) 造形2種/彩色ちがいを含めてラインナップ5種/数量1,000個/サイズ3.5〜4cm/一体成型・可動なし/対象年齢3歳以上/1回400円で販売/予算50〜70万円/納品希望【要記入】。
  3. 3社に同時に投げる CapsuleHub(PVC・中国)、あミューズ(設置まで一気通貫)、プレステージ(ソフビ・分離発注)。素材と座組の違う3社にすることで、選択肢を並べて比べられます。
  4. 見積書で必ず分けてもらう項目 ①原型費(体数ぶん)②金型費(1型で2種に収まるか)③塗装マスク板(色数ぶん)④量産単価⑤カプセル・封入。合計だけの見積りだと、どこを削れば予算に収まるか判断できません。
  5. 安全基準の対応可否を確認する 「玩具安全基準(ST)マークの取得可否」「対象年齢表示をどうするか」「3歳未満の誤飲対策」。この3点に即答できない会社は、子ども向け商材では外したほうが無難です。
  6. ぬいぐるみのサンプルを1体だけ先に作る プランニングキュービックなら1個から可能。クラファンのページに実物写真があるかどうかで、支援の集まり方が変わります。量産の発注は募集終了後で構いません。

08参照した公開情報

価格・ロット・納期は以下の各社サイトおよび比較記事の公開情報(2026年8月時点)に基づく整理です。

CapsuleHub / Capsule Craft(オリジナルガチャガチャ製作・カプセルトイOEM)
CapsuleHub ブログ(小ロットフィギュア製作の費用・原型10万〜/金型40万〜/量産180円〜)
あミューズ(オリジナル品・OEM・作業委託)
プレステージ(ソフビフィギュア製作・原型/金型/成型物の切り出し発注)
オビツ製作所(ソフビ製作の流れと費用・500個以下向け金型)
MONOist「エポック社のカプセルトイが攻め過ぎている理由」(金型・PVC成型の工程)
ケイオー(カプセルトイ対応グッズOEM事例)
ラブエンタ(ガチャガチャ・カプセルトイサービス)
GOODS EXPRESS(ガチャガチャマシンレンタル・制作日数)
株式会社海洋堂
OEM比較.com(ぬいぐるみOEM 7社比較)
BOATER(ぬいぐるみ制作会社17選)
株式会社OPULA(ぬいぐるみOEM)
ぬいぐるみ屋本舗(価格表)
3Dayプリンター(オリジナルフィギュア製作・3Dモデル制作7万円〜)